東京で思い出深い場所といえば、この紀伊國屋書店の新宿本店も外せない。
思い返せば、20年ほど前には、まだ巨大書店というのは数えるほどしかなく、その象徴といえば、この店だった。本の仕事がしたいなと思って、京都から東京に来た僕にとっては、やはりこの店は特別な存在で、意味なくここによく来ていたように思う。
そういや待ち合わせでもよく使ったな。ケータイがない時代は、よくこの店のエスカレーターの前で待ち合わせた。ジュンク堂やブックファーストができて、正直、くる機会は前より減った気がする。それはエレベーターがなかなかこないとか、フロアごとに清算しなくちゃいけないという利便性の問題によるんだけど、でもやっぱりここは特別。
これは地下からの入り口に掲げられた掲示だけど、古い建物だけあって味がある。地下街には、有名なモンカレーといった店など、この書店とともに歩んだ歴史ある飲食店などもあって、それらもひっくるめての紀伊國屋本店といった感じがする。そういや学生時代は、この隣のビルでバイトをしていた。それもなんかこの店に感じた憧れとかそういった要素があったんだろうな。
憧れといえば、この本店前の特設売り場で自著が展開されるのは、本に関わる人すべての憧れ。残念ながら僕は未経験ですが、いつかそんな日が来ればなと思っています。ここは中はたびたび改装されているけれど、このビルだけはしっかり残って欲しいな。そう思うところです。